車のエンジンがかからない原因と対処法!事前に防ぐことはできる?
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車は工業製品である以上、トラブルはつきものです。
中でも、エンジンに関するものは意外と多く、国土交通省の「令和3年度・路上故障の実態調査結果」では、4位にエンジントラブルが入るのが現状です。
その発生率は一般道で8.2%なのに対して、高速道路は10.6%と高くなります。
1~3位は電気装置、走行装置、燃料装置であり、一般道と高速道路では故障件数や発生率に違いはあるものの、トラブルの順位は変わりません。トラブルが最も多い部位はタイヤであり、主な原因は、パンクやバースト、空気圧不足などです。
4位のエンジンは、車における製造原価の20~30%を占める高価な部品であり、修理費用も高額です。また、エンジンに関係する部品のトラブルであれば数日あれば修理可能ですが、エンジン本体が故障していると数週間かかることもあります。
たとえば、旅行中に致命的なエンジントラブルが発生すると、レッカーによる移動や宿泊先の確保で娯楽どころではなくなってしまうことも。しかし、エンジンのトラブルが発生した場合の対応や対処法を知っておくことで、切り抜けられることもあるでしょう。
そこで今回の記事では、車のエンジンがかからない原因や対処法をご紹介します。
車のエンジンがかからない原因
車のエンジンがかからない大まかな原因として「電気系のトラブル」と「燃料系のトラブル」があります。では、どのような内容のトラブルがあるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
電気系のトラブル
電気系のトラブルには、以下のようなトラブルがあります。
- バッテリー上がり
- セルモーター故障
- イグニッションコイル故障
- スタータースイッチ故障
上から順番に詳しく説明していきます。
■バッテリー上がり
バッテリー上がりは、バッテリー本体に蓄えられた電気が減少することでエンジンがかからなくなる状態のことです。
原因は、車の整備不良のほか以下のようなケースが考えられます。
- 車に乗ることが少なく、運転せずに放置していた
- ヘッドライトや室内灯を点けたままエンジンを切る
- バッテリーの経年劣化
- エンジンをかけずにエアコンや送風を使用していた
- ドライブレコーダーの駐車監視機能を使い続けていた
3年ほど使用したバッテリーは劣化して電力を蓄える能力が低下するため、バッテリー上がりを起こしやすくなります。
■セルモーターの故障
セルモーターは、エンジンを起動させるためのモーターです。
交換頻度は少ない部品ですが、期間10年・走行距離10万kmが交換目安とされています。あくまでもモーターなので、「短距離走行が多い」「車に乗る頻度が多い」といった回転数が増える乗り方であれば、さらに早く交換が必要になるでしょう。
■イグニッションコイル故障
イグニッションコイルは、ガソリンを燃焼させるための火花を散らすスパークプラグを作動させるために高電圧を加える部品です。
イグニッションコイルが寿命をむかえると、アイドリング中や信号待ちの際にエンジンが停止してしまいます。
一般的には、走行距離10~15万km、期間は10年が交換の目安とされています。
■スタータースイッチ故障
スタータースイッチは、エンジンをスタートさせるためのスイッチです。
レーシングカーのように運転席にあるインストゥルメンタルパネル部のボタンを押してエンジンをスタートさせます。
配線の接触不良やスイッチのヒューズが飛んでいると、エンジンがかからなくなります。
燃料系のトラブル
燃料系には、以下のようなトラブルがあります。
- ガス欠
- 燃料ポンプ故障
- フューエルフィルター目詰まり
- インジェクター故障
上記についても、詳しく説明していきます。
■ガス欠
ガス欠は、燃料が切れた状態のことです。ガソリン車の場合はガソリンの不足、電気自動車の場合は充電が切れるとエンジンがかからなくなってしまいます。燃料タンク内にガソリンがあるのにエンジンがかからない場合は、ガソリンの経年劣化なども考えられます。
■燃料ポンプ故障
燃料ポンプはフューエルポンプとも呼ばれる部品のことで、主な役割はエンジンに燃料を供給することです。燃料タンク内にある燃料は、ポンプの力によってエンジンへと送られます。
燃料ポンプが故障してしまうと、エンジンにガソリンを送ることができなくなるため、エンジンがかからない原因になってしまいます。
一般的な交換の目安は、5万~10万kmです。
■フューエルフィルター目詰まり
フューエルフィルターは、燃料の中に含まれるゴミや水分といった不純物をろ過して、キレイにする役割があります。使用を続けることでろ過した不純物が溜まり、目詰まりを起こすのです。
目詰まりを起こすと、エンジンがかからないほかエンジン不調を起こすこともあります。
一般的な交換頻度は、ガソリン車で10万km、ディーゼル車で2万kmといわれています。
■インジェクター故障
インジェクターとは、空気とガソリンを混ぜてノズルから噴射する装置のことです。目詰まりや劣化により、エンジンがかからなくなることがあります。交換の目安は、走行距離10万kmまたは期間10年とされています。
エンジンがかからない…まず最初に確認すべきこと
エンジンがかからない!と慌てる前に、以下のことを確認しましょう。
- 燃料、充電切れ
- シフトレバーの位置
- ハンドルロック
- スマートキーの電池
上記は、うっかりミスとしてよくある事例です。
ガソリン車やディーゼル車はガソリンや軽油、電気自動車は充電が切れていないかを確認しましょう。そして、シフトレバーの位置を間違えている場合はエンジンがかからない車がほとんどなので、「P」に入っていることを確認してください。
エンジンをかける前の状態で無理にハンドルを回してしまうと、盗難防止のため強制的にハンドルにロックがかかるうえ、エンジンがかけられなくなってしまいます。解除するには、ハンドルとキーを同時に回す必要があります。ハンドルを左に回しながらキーを回しても解除されなければ、右に回しながらキーを回してみてください。一方で解除できなくても反対側なら解除できるので、落ち着いて対応することが大切です。
スマートキーの電池が切れている場合もエンジンがかからないので、交換してみましょう。
エンジンがかからなかったときの対処法
セルモーターが回らない場合
セルモーターが回らない原因としては、バッテリー上がりが考えられます。
バッテリーの端子を確認し、しっかりと接続されているか確認しましょう。また、バッテリー液の量が減っていないか確認してください。
バッテリー上がりの可能性が高い場合は、ジャンプスタートでエンジンをかけることが可能です。ジャンプスタートでエンジンをかける場合は、ジャンプケーブルと救援車が必要になります。なお、ジャンプケーブルは、カー用品店やホームセンターで1,000円~3,000円ほどで販売されています。
ジャンプスタートの方法は、以下のとおりです。
- エンジンがかからない車と救援車、両方のエンジンを切る
- ジャンプケーブルの赤い端子を、助手席側のバッテリーのプラス端子と、救援車のバッテリーのプラス端子に接続
- ジャンプケーブルの黒い端子を、助手席側のバッテリーのマイナス端子と、救援車のボディに接続
- 救援車のエンジンを始動させて、15分程度アイドリングさせる
- 車両のエンジンを始動させる
ジャンプスタートしてもエンジンがかからない場合は、セルモーターやスタータースイッチが故障している可能性があります。
エンジンがかからない場合
セルモーターが回るのにエンジンがかからない場合は、燃料系やエンジン系のトラブルが考えられます。
燃料系のトラブルとしては、ガス欠、燃料ポンプ故障、フューエルフィルター目詰まり、インジェクターの故障などがあげられます。ガス欠の場合は燃料補給することで、エンジンをかけることが可能です。燃料ポンプやフューエルフィルター、インジェクターが故障している場合は、修理する必要があります。
エンジン系のトラブルとしては、プラグやコイルの故障、点火タイミングのズレ、エンジンオイルの不足などがあげられます。プラグやコイルが故障しているのであれば、交換しなければなりません。点火タイミングのズレは、整備工場で調整してもらいましょう。エンジンオイルの不足は、エンジンオイルを補充することでエンジンをかけることができます。
自分で対処できない場合
自分で対処できない場合は、ロードサービスやディーラーに依頼しましょう。
セルモーターが回らない場合は、バッテリー上がりの可能性が高いため、ジャンプスタートを試してみてください。ただし、ジャンプスタートしてもエンジンがかからない場合は、ロードサービスやディーラーに依頼する必要があります。
エンジンがかからない場合は、燃料系やエンジン系のトラブルが考えられます。燃料系やエンジン系のトラブルは、自分で対処することが難しいため、こちらもロードサービスやディーラーに依頼しましょう。
■自分で対処する際の注意点
バッテリー上がりの可能性がある場合は、電気ショックや火災の危険があるため、注意して作業してください。ジャンプスタートでエンジンをかける際には、感電防止としてゴム手袋の着用をおすすめします。ケーブルの接続を間違えると、ショートしてしまい火災の原因になってしまうことがあるので、きちんと確認しながら確実に作業することが大切です。
また、燃料系やエンジン系のトラブルを自分で対処する際には、間違った対処で故障を悪化させてしまう可能性があるため、慎重に作業するようにしましょう。
エンジンがかからない…事前に防ぐ方法
エンジンがかからないのを防ぐ方法は、次のとおりです。
- バッテリーの定期的な点検
- 燃料の残量をこまめに確認する
- エンジンオイルの定期的な交換
- 車の定期点検
- エンジンを長時間アイドリングさせない
- 急発進や急加速を避ける
- 冬場はエンジンを暖気する
それぞれの方法について、詳しく説明していきます。
バッテリーの定期的な点検
バッテリーは、使用状況や環境によって寿命が異なります。バッテリーの寿命は一般的に3~5年程度です。バッテリーの寿命が近づくと、バッテリー液の量が減ったり、電圧が低下したりすることがあります。バッテリーの定期的な点検を行い、バッテリー液の量が減っていたら補充し、電圧が低下していたら充電することで、バッテリー上がりを予防できます。
バッテリーの寿命に関しては、以下の記事で紹介しています。
燃料の残量をこまめに確認する
ガソリンの残量が少なくなると、ガス欠の原因になります。ガソリンの残量はこまめに確認して、ガス欠にならないように注意しましょう。
エンジンオイルの定期的な交換
エンジンオイルは、エンジンを保護する役割があります。エンジンオイルが不足していると、エンジンが焼き付き、エンジンがかからなくなる可能性があります。エンジンオイルは、車の取扱説明書に記載されている交換時期に従って、定期的に交換しましょう。
車の定期点検
車の定期点検では、バッテリーや燃料系、エンジン系などのトラブルを未然に防ぐための整備が行われます。車の定期点検は、車検のタイミングで受けるのが一般的ですが、車の使用状況によっては、車検以外のタイミングでも受けることをおすすめします。
エンジンを長時間アイドリングさせない
エンジンを長時間アイドリングさせていると、バッテリーの電力が消耗します。エンジンをかけるときは、なるべくすぐに発進するようにしましょう。
急発進や急加速を避ける
急発進や急加速はエンジンに負担がかかり、故障の原因となる恐れがあります。エンジンに負担をかけないように、アクセルをゆっくり踏んで発進するように心がけましょう。
冬場はエンジンを暖気する
冬場は、エンジンオイルが冷えて粘度が高くなるので、エンジンがかかりにくくなります。
エンジンスターターなどを使って事前にエンジンをかけて暖機をしておくと、エンジンの負荷が減る上、同時に暖房で室内を温かくすることができます。
また、寒い地域にお住まいの場合は「寒冷地仕様車」を選ぶといいでしょう。バッテリーやオルタネーターの容量が大きいため、寒さでエンジンがかかりにくくなることが少なくなります。
エンジンがかからない時の修理費用
バッテリー上がりの場合
バッテリー上がりの場合は、バッテリーの交換や充電で修理できます。
バッテリーの交換費用は車種やバッテリーの種類によって異なりますが、一般的に1万円~3万円程度です。バッテリーの充電費用は、1,000円~2,000円程度です。
燃料系のトラブル
燃料系のトラブルの場合は、燃料ポンプの交換やフューエルフィルターの交換などが必要になるケースもあります。燃料ポンプの交換費用は、10万円~30万円程度、フューエルフィルターの交換は1万円~2万円程度です。
エンジン系のトラブル
エンジン系のトラブルの場合は、プラグの交換やコイルの交換、エンジンオイルの交換などが必要になる場合があります。以下は、それぞれの修理費用の目安です。
- スパークプラグ:1,000円~2,000円程度
- イグニッションコイル:1万円~2万円程度
- エンジンオイル:5,000円~1万円
また、トラブルの内容によってはエンジン本体の交換が必要になる場合もあります。車種やエンジンの種類によって異なりますが、一般的に30万円~100万円程度が目安です。
自分で対処できるトラブルであれば、修理費用を抑えることが可能です。しかし、自分で対処できないトラブルの場合は、ロードサービスやディーラーに依頼する必要があります。ロードサービスやディーラーに依頼する場合は、レッカー費用や修理費用がかかります。
車の任意保険にロードサービスが付帯されている場合は、無料で修理やレッカーサービスを利用することも可能です。ロードサービスが適用されるかどうかは加入している保険会社や契約内容によって異なるため、保険会社に確認しましょう。
日々のメンテナンスが大事
今回の記事では、車のエンジンがかからない原因や対処法をご紹介しました。
車は工業製品である以上、トラブルや故障は起こってしまいます。日々のメンテナンスを心がけることで、最小限に抑えることができます。
急なエンジンのトラブルは手間がかかるうえ精神衛生面や金銭面の負担も大きいので、日頃から車の定期点検やバッテリーのチェックをすることが大切です。
エンジン故障を期に、メンテナンスの見直しや買い替えを検討するのであれば、マイカーリースという選択肢もあります。マイカーリースには、リース会社にメンテナンスを任せられるプランがあるため、仕事やプライベートで多忙な人や車の管理に時間を使いたくない人にもぴったりです。
ピタクルのマイカーリースには、豊富なメンテナンスプランがあります。
プランごとに含まれる費用やメンテナンスの種類は異なりますが、すべてのプランにロードサービスが含まれるので、任意保険に付帯していない場合でも安心です。予算に合った選択ができますので、ぜひ前向きに検討してみてください。
まずはピタクルまで、お気軽にお問い合わせください。
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